「兄ちゃん?」

「・・・なんだ、青波」

「お客さん来てる」

「客?」

「こ、こんにちは原田くん」










さん急襲











「兄ちゃん、髪の毛ちゃんと乾かさんかったけぇじゃ」と青波に言われた。朝起きたら体がまるでウェイトだらけになってるみたいに重たくて、頭が割れそうだった。つまり、俗に言う(言わなくても)風邪を引いたわけだ。今日が土曜でほんとによかった。別に皆勤狙ってるとかそんなんじゃないけど、例えば今日が平日で、俺はに会えないのに他の奴らがに会ってると思うと無性にいらいらしてくる。
そんな土曜日に、突然が家にやって来た。





「どしたの

「えっと、今日部活休みだって豪ちゃんから聞いたから、一緒に遊べるかなって思ったんだけど・・・無理みたいだね」





ばか、俺の大ばか。せっかくがデート(とは言ってない)に誘おうとしてくれてたのに風邪引いた俺のばかやろう!くそ、これくらいの風邪が何だって言うんだ。平気だろ、うん平気平気、死ぬことはない。よし、とデート出来る。「、俺平気だから。行けるよ」って言ったら、はいきなりすごい剣幕で怒りだした。あんまり、っていうか全然怖くないんだけど、「原田くんはエースなんだから!」とか「風邪は引き始めが肝心なの!」とかひとしきり言って、それから「ご、ごめん原田くん・・・!私帰るね」と言って立ち上がろうとした、その瞬間、もうベタ過ぎて何とも言えないくらいなんだけど、は自分のスカートの裾を踏ん付けておもいっきり転けてしまった。・・・パンツ見えたし。ピンクだ。ってかわいいな、何から何まで。全身頭の先から爪先まで絶対かわいい。の体なら残さず食べられる・・・って俺変態か。
ベッドから起き上がってを抱き起こす。は頬っぺたを真っ赤にして「あ、ありがと原田くん・・・」と言った。ああ、もう。ほんとにかわいい、がかわいすぎてどうしよう。キスしたい、抱き締めたい、押し倒したい。
熱っぽい体がさらに体温を上げる。





「・・・、」

「なに、原田く、んっ」





腕の中で俺を見上げたの唇をそのまま塞ぐ。抱き締めた肩が強張る。くっついた部分から心臓の音が聞こえて、ああ、がどきどきしてるんだって思う。閉じられた唇に舌先で触れたら、が小さく身動ぎして、小さく唇が開いた。くぐもった声が、隙間から零れる。ああ、熱い。熱くて頭がどうにかなりそうだ。
ひとしきりにキスしたあと唇を離したら、は泣きそうな顔で俺を見上げた。





「は、らだく・・・」

「さて、と。次は俺がのお見舞いに行く番だな」

「え?なんでお見舞い・・・」

「なんでって、今のキスでうつしたから」





真っ赤だった頬っぺたをさらに赤くして、は俺の頬っぺたをおもいっきりつねった。痛くなんてないけど。になら何されたっていい、逆に仕返してやれるから。に触れるチャンスなら逃したくない、どんなだって。なかなか人前じゃ出来ないからさ、俺。2人の時位甘やかしたいんだ、のこと。
ああ、こんなにもを想ってるなんて他に誰が知るだろう。





(君が傍にいて初めて分かることが山程あるんだ)