無機質な音が鳴った。今は日曜日の朝9時。こんな時間に誰か訪ねてくるなんてそんな約束はしてないし、一体誰があたしの惰眠を妨害するんだ!寝起きで若干イライラしながらオートロックのインターホンを取ると、その向こうから聞こえた声にあたしの意識は一気に覚醒して、応答したことを激しく後悔した。寝たフリして居留守決め込むべきだった。





『やあ、俺だけど開けてくれる?』

「・・・俺さんなんて知りません私じゃないです部屋間違えてますよ」

『そんなこと言わずにさ。ね、開けてくれないと君の恥ずかしい写真を池袋中にばらまいちゃうよ』

「ちょ、なに恥ずかしい写真って!いつ撮ったのよ!」





結局あたしがアイツにかなうわけもなく、アイツはへらへら笑いながら高層マンション18階のあたしの部屋に入ってきた。
折原臨也。高校時代の欲しくもない腐れ縁で、あたしは幾度となく臨也から逃れようと引っ越しを繰り返すんだけど、東京の奥地やら埼玉やら千葉やら神奈川やら、どこに引っ越しても住所を突き止められちゃうから、今はもう開き直って池袋在住だ。話がずれた。とにかく臨也が限りなくうざいとゆうこと!ストーカー変態野郎だとゆうこと!そこが重要!
ずかずかとあたしの部屋に入り込んだ臨也は、ベランダ付きの窓から外を眺めたりベッドルームを覗いたり、散々うろうろしてからソファーに深く腰を下ろした。





「良い部屋じゃない」

「まーね。で、何の用」

「別に。暇だからのとこ行こうと思って」

「・・・(どうせそんなことだろうと思った!)コーヒー入れて」

「はいはい喜んでー」





だけども、あたしは臨也の入れるコーヒーは嫌いじゃないのです。




















気付くと時刻は正午過ぎのようだった。枕元の時計がそれを示している。あれ、あたしさっきまでリビングにいなかったっけ・・・確か臨也に起こされて・・・夢、だったのかな。ぽけーっと寝転がったままでいたら、だんだん頭がはっきりしてきた。確かにあたしは朝9時に訪ねてきた臨也に起こされて、臨也の入れたコーヒーを飲んだ。そこから先の記憶がさっぱり無い。確実に臨也の仕業だ!「臨也、っ!」起き上がろうとしたあたしは何物かに邪魔された。
両手が動かない。かろうじて動く頭を動かして見ると、あたしの両手はベッドのフレームにきっちりと縛り付けられていた。ベッドの横で臨也が満足そうにニヤニヤニヤニヤ気持ち悪い笑みを浮かべている。





「臨也あああぁぁぁ!!何バカなことやってんの離してよ解いてよー!」

「もちろん嫌だね」

「嫌だじゃない離せこの変態野郎!」

「変態だなんて心外だな、。それにもし変態だとしても、俺は変態という名の紳士だk

「うるさい!さっさと解けってば!じゃないと、」

「じゃないと?」





不意に臨也が顔を近付けてきたのでびっくりして黙ってしまった。顔だけなら、そう、仮に臨也の写真だけ(性格とか全然知らない状態で)見たなら、喋らなければ、臨也は絶対かっこいい、とあたしは思う。今となっては性格も熟知してるし、顔だけ見てもうざいと思ってしまうんだけど、でもこうやって近くで見ると、やっぱりかっこいいものはかっこいい。










「ねえ、じゃないとどうするの」パチンと音がして、視界の端で臨也がいつも持ち歩いてるナイフの刃が窓からの太陽光を反射する。「じゃないと目玉をほじくるぞー、だっけ」臨也が笑う。「ち、ちが・・・!」ひんやり。ナイフとは違う、有機的な冷たさが、あたしの着ているシャツの襟元から入って鎖骨に触れる。「じゃあ何なの?ねえ、それって面白いこと?」ナイフでシャツの前を切り裂いて、臨也の唇が耳元に近付いた。、ちゃんと俺の質問に答えてよ」臨也のひんやりとした手が鎖骨からどんどん下がって、うにうにとあたしの胸を弄ぶ。「や、だ・・・臨也っ、離してよう、」くちゅ。「あれー、ったらもうこんなにしちゃって」あ、やだあ、っあん、いやっだめぇうあぁ、い、臨也っ、だめそこ、やだぁだめなの、だめえ!「ねえ、すごい音してるよ。そろそろなんじゃないの?」だめだめっ、ねぇそこ、だめっ、やだぁもういやっねえ臨也っ、お願い、もうっあぁ!「あーあ、ベッドびしょ濡れじゃん。ってば幼稚園児みたいだね」ぬるり。「あーの中、すごい、気持ちいいな」ああもう、あたし、脳みそ、溶けてバターになる。「っ臨也、あっんあぁ、やっだめぇ、んうあぁやあぁっ、もうっあんっあっんあぁ!」










「っ、     」











モザイクロール
(愛したっていいじゃないか、)