第一印象は最悪だった。特に理由もないのになんだかもやもやむしゃくしゃしていた私は、お昼休み直後の授業を屋上でさぼることにして友達とのランチも早々に切り上げて一人でこっそり屋上へ続く扉を開けた。何人か陽だまりの中で和気あいあいと楽しくごはんを食べているのを見て、人目につかないとこはないもんかと探したところ、ペントハウスの上へと続く梯子を見つけた。む、今日はスカートの下に何も履いてないんだった。いや、パンツは履いてるけどもね。こんなことなら体操服のハーフパンツでも履いておけば・・・ま、いっか。誰も見てないだろうし。一人で納得して梯子を登る。おお、誰もいない!日光も良く当たってる!よろしいよろしい!いそいそと梯子を登り切って、枕代わりに持ってきておいたジャージの上着を丸めると、私は仰向けにごろんと勢いよく寝ころんだ。





「・・・あー、いい天気。なのに私は一体何をしてるんだー」

「ううーごろごろしてたいー授業なんてつまんないよー」

「なんかーもーっとおもしろいことないのかなあ・・・ちくしょー」










「あん?誰だオマエ」










空を見ながら独り言をぶつくさ呟いてた私の足元の方から声がした。首だけ起こしてそっちを見たら、人がいた。梯子を登っていたようで、私の姿を発見したらしい。褐色の肌、短い青みがかった髪、鋭い眼。・・・オマエこそ誰だ。体格が良いからなんとなくスポーツやってる人だということは分かる。だけどもこの学校にはスポーツで強い人が全国から来てるので、誰が誰だか私には全く分からない。





「・・・あんたこそ誰よ」

「は?俺が先に聞いてんだよ誰だオマエ」

「人に名前を聞く時は自分から名乗るのが礼儀だって習わなかったのアンタ」

「・・・うっせーな。あーもう誰でもいいからそこどけよ俺の場所だ」





かっちーん!はあああぁぁぁ?なに、何なのこいつ!めっちゃ腹立つんですけど!もともとむしゃくしゃして気分転換でサボろうとここに来たのになぜそれを見ず知らずのこいつに邪魔されさらに腹を立てなければならないんだ!
首だけで足元の人間を見ていた私は、ちょっとガツンと言ってやろうかと上体を勢いよく起こそうとしたその瞬間だった。










「・・・っぎゃあああぁぁぁ!!」

「おー、黒とかエロいの履いてんなー」










秋に向かう冷気を含んだ風が勢いよく吹いた。起き上がるために手をついていた私がスカートを押さえようと手を伸ばすよりも早く、スカートが一気に捲れあがってしまった。ぎゃあああぁぁぁ!!なんて全く可愛くない悲鳴を上げる。だって、私、今日スカートの下に何も履いてない!いや、パンツは履いてるけどね!そうゆう問題じゃない!しかも、よりによって、ケンカ中の知らない相手にパンツ見られた!最低!最悪!





「おい」

「あぁんっ?!(うわーん最悪だー!なんでこんなやつにパンツ見られなきゃなんないんだよーお嫁にいけない!)」

「オマエ名前は?」

「・・・です(ううっ・・・最悪だ、もう死にたい)」





「いーもん見せてもらったから特別にもここにいていーぜ」

「・・・っ!(そーゆう問題じゃねーだろおおおぉぉぉ!!てか馴れ馴れしくね?!)」










悲鳴
(ほとばしるエネルギーを声に変えて)

「てか結局アンタ誰なのよ!」「あ?青峰大輝だ覚えとけ黒パンツ」「最低!」