高校生、放課後、二人きり。そういう時っていうのは相手がたとえ誰であろうと気まずい感じがするものであって、それが自分の好きな人とかだったりしたらもう大変なんだよね。緊張して心臓は破裂しそうだし、変な汗とかかいちゃって、もう相手の顔なんて直視できる状態じゃなくなる。みんながそうなのかは知らないけど、とりあえずあたしの場合はそうだ。
というわけで、あたし今なぜだか(数学の宿題やって来なかったからだけど)放課後の教室で叶と居残りです。





「・・・、この問題解けた?」

「え、あ、ううん!解けてないよ、全然!」

「そんな自信もって言うことじゃねーだろ」

「あ、そっか、そうだね・・・ごめん叶」

「別に」

「・・・・・・」

「・・・・・・」





こんな感じでさっきから。叶に話しかけられてもあたしは満足に返事も出来ないで、叶はそんなあたしに呆れてるというかめんどくさがってるというか、そんな気がする。つまんなくてごめん、って謝りたいんだけど、それこそ本当に叶に呆れられてしまいそうで言いだせない。数学のプリントも全然解けないし、叶とせっかく二人きりなのにあんまり会話も弾まないし、あたしは神様がくれたせっかくのチャンスをまったく活かすことが出来ない類の人間なんだ。
くるくるとシャーペンを回していたら、隣の席の叶と目が合った。





「暇だな」

「そ、うだね」

「なんか面白い話ねーかな」

「どうだろ・・・あたしあんまり思いつかないかも」

「・・・・・・」

「・・・・・・」





「・・・じゃあ、って好きなやつとかいねーの?」





「じゃあ」ってなんだ「じゃあ」って!あたしの好きな人の話って面白い話なんですか?!第一そんなの言えるわけない、本人に!だって、だって、叶ってば学年でもかわいいって噂の女の子に告白されたのに断わってるんだよ。それなのにあたしが告白しちゃったところでOKなんて出るわけないと思う。
でも叶から話しかけられて返事をしないわけにはいかないので、必死で数学疲れしている頭を回す。なにか、言い逃れ出来そうな上手い答え、出て来い!





「え、あ、いや、うん、あたしよりさ、叶はどうなの?好きな子とか、いないの?」

「俺?あー・・・いるけど」

「まじ?!え、まさか春川さんとか?」

「春川?まあ確かにあいつはかわいいと思うよ。あと稲原とか、逢沢とかもかわいいし人気ある」

「・・・へえ」





ああ、もう。あたしって本当におおばかものだ。叶が楽しそうに笑顔で女の子の話してるとこなんて見たくなかったのに。別に叶が誰かのこと好きだとしても仕方なくてあたしがどうにか出来るわけじゃないんだけど、それでも自分の好きな人が他の女の子のこと話してるのっていい気分じゃない。自惚れとかそんなんじゃなくて。ただ惨めにあたしが勝手に嫉妬してるだけなんだけどさ!あたし、おおばかもの。





「・・・でも、俺はあんま好きなタイプじゃない」

「え?・・・かわいいのに好きじゃないの?」

「かわいいと思うのと好きになるのとは違うんだよ、俺の場合」

「じゃあ叶の好きな人って他にいるんだ・・・?」

「まあな」

「そう、なんだ・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

、」











strawberry generation

(なんて甘酸っぱい青春!)

「俺はお前のこと好きだよ」