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「寒いねえ、雲雀くん」 「そうだね、」 5時を過ぎると外はもう暗い。今日は風紀委員の仕事がたまっていてなかなか帰れそうにないから「明るいうちに先に帰りなよ」と風紀委員でもないのに僕の仕事を手伝ってくれていたに声を掛けたのだけど、「1人でやるより2人のほうが早く終わるよ、一緒に帰ろうよ雲雀くん」なんて無邪気な顔をしてが言うもんだから、僕はその優しさに結局は甘えてしまった。たまった書類の半分ほどを片付けたところで、時計は5時を指していたので、校内の見回りに出掛けることにする。「、一緒に行くかい」と言うと、まるで散歩に連れて行ってもらえるのを待っていた犬みたいに瞳をキラキラさせてが頷くので、一緒に応接室を出たところでこの会話だ。 「そろそろみんな帰る頃だね、寒いから外の部活は大変そう」 「まあ彼らは動いてるからそんなに寒いことはないんじゃないの」 「そっかー私が寒がりなだけかな」 「スカートがちょっと短いんじゃない」 「うっ・・・お、怒らないでね雲雀くん」 「僕以外にパンツ見せないならね」 「見せないよ!てか雲雀くんにも見せないから!」 「なんだ、残念」雲雀くんのえっち、とか言いながらすたすた先に歩いていくの手を捕まえながらそう言うと、すかさず僕の手にの手が絡んでくる。みんないないから手繋げるね、嬉しそうにが笑う。ああ、本当に何も分かってない。みんないない、なんて、それ僕とが二人きりってことだよ、ねえ分かってる?本当はいつだってと手を握りたいと思うし、さらさらの髪の毛を撫でたいと思うし、柔らかい頬に手を添えて唇にキスしたいと思うし、小さな体を抱きしめたいと思う。それを僕はいつも我慢してる。僕の一挙一動に反応するはとてもかわいいと思うから、それを他の誰かに見せたくないし。それに一応風紀委員長として畏怖の対象である僕が、でれっでれのだらしない顔をして一般の男子中学生と同じようにむらむらしてるなんて知られたくない。恥ずかしい。だから、誰もいないところで、に触れたくなってしまう。 「・・・、僕キスしたいんだけど」 「え、ダメだよ!誰か来るかもしれないじゃんか!」 「さっき、みんないないって言ったのだよ」 「いやいやいやいや!だって、ここ、廊下だし、外から見えるかも、」 「どうしてもダメ?」 「ダメ絶対!ノーモア廊下!」 「・・・じゃあ応接室に戻ったら、キスしていい?」 「・・・う、あ、んーっと、それなら・・・いい、よ」 じゃあこんな寒い中での見回りなんてさっさと終わらせて応接室に帰ろう、繋いだ手を引き寄せて廊下を進む。書類、あとどれだけ残ってるんだっけ。今日中に終わらせなくちゃならないものも何枚かあるけれど、それだってきっとが僕のそばにいてくれるならすぐに終わるだろう。だからさ、早くにキスさせてほしい。ずっとずっと我慢してた僕に、「偉いね、よく頑張りました」ってご褒美くらいくれてもいいだろ。 |