ああもう本当に意味不明な世の中ですねどうして公園から滑り台を盗んじゃうのかなお家に滑り台欲しかったのかなそんなん許されるんなら私だってとっくの昔に盗み出しちゃってるよ!!!!お母さんとケンカする度に家を飛び出しては滑り台の上で一晩過ごしたことだってあるんだよ私、親友の美咲とケンカしたときだって滑り台のてっぺんでちびっ子たちの迷惑を顧みず泣いたことだってあるんだよ私、そういえば仲直りした後美咲と2人で狭い滑り台のてっぺんで夜遅くまで色んなこと話して家に帰ったらお父さんに叱られたような気がするなあ、そんな感じであの公園の滑り台はいつだって私と一心同体な程に一緒に過ごしてきてたんだよ、なのになのにああもう本当に意味不明な世の中ですねどうして滑り台盗んじゃうのかなそんなに金属が欲しいなら●の錬金術師のエ●ワード・●ルリックくんに頼めばいいのになあ錬金術師よ大衆のために在れ!!!!実は私コミック全巻持ってるんだよ★滑り台どこに行っちゃったのかなあ今頃は海の向こうかなあ大好きだったよ滑り台さん!!
それにしても今日の部活はなんだか一段とハードだった気がするなあコンクールもうすぐだもんなあ自転車通学だけど今日はこぐ気力も体力も残ってないよ。自転車の前に付いてる籠の中で私の相棒トランペットが入ってるケースがカタンと音を立てた。そうだね、エリザベス(私のトランペットの名前だよ名前つけたら性能が50%UPするって先輩に教えてもらった★)も疲れてるよね今までならこうゆう日は公園の滑り台のてっぺんで夕日に向かって吹いてたりしたんだよ、なのになのに滑り台どろぼうめ!!!!のろのろ自転車を押しながら公園の前を通りかかった。いつものくせで滑り台を探すあるわけないんだけどね・・・ってある!!滑り台があるよ、ちょっとこれ夢とかじゃないのかな、滑り台が戻ってきてくれたよ私の所に!!!!



「うわー!!!!滑り台が戻ってる!!!!」



自転車を猛スピードで押して誰もいない滑り台に近付いた、ら人がいた。ちょっとちょっとそこ、滑り台のてっぺんは私の特等席だから座っちゃダメだよ君!!!!ほらほらどいてどいて!!みたいなガキ大将的な勢いで滑り台の階段を上っててっぺんに辿り着いたらそこにはなんと、なんで並盛町にいるんですか君の家は隣町の黒曜町だよねどうして並盛にいるんだよてゆうかなんで滑り台のてっぺんに座ってるんだよ気持ち悪いよ、なんとなんと骸さんがいた!!!!骸さんは相変わらず立派なパイナッポーだった。



「クフッ、奇遇ですね

「え、あ、まあそんな感じですねなんでいるの骸さん」

の家がこの公園の近くだと分かったので待ってました」

「あれ、骸さんそれ矛盾だよさっき奇遇ですねって言ったじゃんこれ奇遇じゃないよ待ってたら奇遇って言わないですよ骸さん、てゆうかなんで私の住所知ってるんですか」

「クフフ、愛の力は偉大なんですよ

「ちょ、ちょっとちょっと愛の力の所為にしてストーカー行為を正当化しちゃダメだよ骸さん!!!!」

、人は皆愛を追い続けるストーカーなんですよ一つ勉強になって良かったですね」

「うわーそんなんだったら私絶対恋なんてしたくないよ、てゆうか満足そうに語らないでください」



骸さんはクフクフ笑いながら一度滑り台を滑って降りた。なんでだろう骸さんがこうゆうことしてるとものすごくアブナイ人ってゆうか変な人ってゆうか要するにつまり変態に見えちゃうのはどうしてなのかなあ骸さん自体が変態だからなのかな骸さんから変態オーラが出てるのかな不思議だなあ。とりあえず私は誰もいなくなった滑り台のてっぺんを占領したもちろん相棒のエリザベスを抱えて。なんか久しぶりだなあこの景色、いや久しぶりって程でもないかな、滑り台盗まれたのおとといの話だし。ってゆうかおととい盗まれた滑り台がもう今日復活してるなんて役場の人事後処理がお上手なんですね★さっすが優秀な並盛町だぜ!!!!
そんなことをぼんやり考えてたら滑り台の下から骸さんが「」と名前を呼んだ。骸さんの方を見たら、ちょうど風が吹いて骸さんの髪がふあってなった。骸さんって黙ってればすっごくかっこいいと思うんだよね無駄にかっこいいよなあ骸さんって。喋ったりとか笑ったりすると変態的な要素が現れちゃってもったいないことしてるよなあ骸さんって。ほんと、骸さんは、実はかっこいいと思うよ私、骸さんには言ってやらないけどね調子に乗りそうな気がするから。



「なんですか骸さん」

は・・・滑り台が好きなんですね」

「そうだなあ、小っちゃい頃からよく遊んでたし好きですよ・・・てゆうかなんで私が滑り台好きなこと知ってるんですか骸さん」

がいつも帰り道に滑り台の方をじっと見てたからです」

「へえそうなんですか、ってやっぱり骸さんストーカーじゃないですか私の後つけてたんですね」

「さっきも言ったでしょう、人は皆愛を追い続けるストーカーなんだと」

「骸さんそれ好い加減うざい」

「クフフ、はツンデレですね」

「断じて違うと気付いてください骸さん」



ほらね、やっぱりね、骸さんが喋り出すとこれだからね止まらないからねノンストップ★骸さんだからね。また風が吹いて骸さんの髪がふあってなる。あ、パイナッポーも揺れてるなんだか南国みたいだなあ。そういえば骸さんってなんでパイナッポーなのかな何か不幸があったのかな六道家の掟とかだったりするのかな、私だったらやりたくないなあ六道家の娘だったら絶対家出しちゃってるだろうなあ。
ふと下を見たら骸さんがいなくなってた。そのかわり、後ろから骸さんが滑り台の階段を上ってくるカンカンってゆう金属のさびた乾いた音が聞こえてきた。聞こえてくる音はちょっと早足で、骸さんも滑り台好きなのかなあって思った。骸さんが階段を上り終えたら、狭い滑り台のてっぺんは一気にきゅうくつでギュウギュウになってしまった。そしてここぞとばかりに骸さんが私に後ろから抱きついてくる。もう骸さんってばまたいきなり変態ですか!!!!だけど実際抱きしめられたらなんだかいい匂いがして温かくて、でも男の人にこうやってギュッてされるのは初めてだったから、おおおおおおお男の人の胸板って厚いんだなあ!と妙にドキドキする。



「骸さん骸さんちょっと離してくださいなんでここ狭いって知ってるのにのぼってくるの?!」

「クフッ、狭かったらこうやってにくっつけるでしょう」

「そんな計画いりません、骸さんだけさっさと滑り降りてください」

「もちろんイヤです」

「・・・ナッポーめ」

「・・・(無視)、それ何ですか」

「え、トランペットです」

は吹奏楽部でしたっけ?」

「そうですよ、ってゆうかなんで知ってるんですか骸さん、あーやっぱり答えなくていいです愛の力は偉大なんですよね骸さん」

「クフフ、も分かってきましたねえ」

「誰だって嫌でも分かると思います骸さん」



抱きしめたままで骸さんが喋るからそのたびに骸さんの吐く息が耳に掛かってくすぐったい、あと骸さんの声もなんだかえろぼいす的でなんか体の奥がジンッてする。骸さんがポツリと「そういえばM・Mも吹奏楽部に入ったんでしたっけ」と言った。M・Mって誰のことかなあ、この前の写生大会の時仲良くなった森さんのことかなあ何となく。たしか森さんはクラリネットって言ってたっけ。森さん、ビブラートがすっごく得意なんだって言ってた、ひとの脳みそが蕩けるようなビブラートなんだって。すごいなあそんなにキレイなビブラートが出来るなんて!森さんはプロ目指してるのも。「M・Mさんってもしかして森さんのことですか」って聞いたら骸さんがちょっとびっくりしたみたいな感じで「知ってるんですか?」って言うから「この前仲良くなってメル友なんだよ」って言ったら、骸さんが今まで以上に怪しくクフフと笑った。あ、何か企んでるのかな骸さん怪しいなあ。
てゆうか骸さんは好い加減私を離してくれないのかな。



、トランペット吹いてくださいよ」

「え、でも結構暗くなってきたしご近所迷惑になっちゃうし」

「大丈夫ですよ、ああそうだ、僕はに言わなければならないことがあります」

「なんですか骸さん」

「実は僕は幻術が使えるんです」

「げ、んじゅつ・・・?」

「ええ、簡単に言うと幻です。たとえば・・・」



ヴヴ、ンッと音がして周りの景色は公園から一気に変わってどこかのコンサートホール、オペラ座みたいなホールになっていた。え、幻術って実際にあるんだ!!すごい、すごいや骸さん!!!!骸さんって変態なだけじゃなかったんだ私初めて骸さんのこと「すごい!」って本気で思ったよ!!すごい、これ本当にすごいよ骸さん!!!!



、君のために用意したコンサートホールですよ。さあ、のトランペットの音色を聴かせてください」

「・・・は、い」



ケースの中から相棒エリザベスを取りだして、マウスピースを口に当てた。息を吸う音がホールに響く。あ、こんなキレイな音私出せたっけ、ホールのおかげなのかな骸さんのおかげなのかな、こんなに心の底から楽しいって思いながら吹いたことって多分一度もない。骸さんの方をちらって見たら目が合って、骸さんは今まで見たことないくらいきれいな顔でにっこり笑った。
そんなとき、バイクの音と結構聞き慣れた声がして現実に戻った。それにしてもリアルな幻だなあ骸さんすごいなあ!!



「ちょっと、こんな時間になにしてるの咬み殺すよ」

「ひえっごごごごごめんなさい!!」

「・・・さん?!」

「・・・ひっ雲雀くん?!どうしたのこんな時間に」

「それは僕の台詞だよさん、ひとりで出歩いてちゃ危ないじゃないか」

「え?ひとりじゃないよ!骸さんが・・・って、あれ?いない・・・」

「骸が、いたの?」

「・・・」

「・・・さん、家まで送っていくよ」

「うん、ありがとう・・・」



その日は雲雀くんのバイクでお家まで送ってもらった。雲雀くんに「しっかり掴まってるんだよ」って言われたから雲雀くんの腰に手を回してギュッと抱きついた。あ、雲雀くんの匂いだやっぱり骸さんとは違う匂いなんだなあ当たり前だけど。
それにしても骸さんはどこに行っちゃったんだろういつの間にかいなくなってた何だか悪いことしちゃったなあ。せっかく骸さんがすてきな幻術を用意してくれたとゆうのに雲雀くんったら。あ、別に雲雀くんを責めてるとかそうゆうんじゃなくて、お家まで送ってもらってとってもありがたいし助かるし、骸さんどうしたんだろう的な、ね。










また別の日、学校の帰り道に公園の前を通ったら、滑り台が変わってた。あれ、この前までの滑り台はまっすぐで今まで通りの滑り台だったのに、今の滑り台はくるくる回ってなんだかレベルアップしている。おかしいなおかしいな、またあの滑り台も盗まれちゃったのかなあまったく近頃は物騒な世の中になったもんだ!!
そこらへんにいたちびっこに「ねえ、この滑り台どうしたの?なんでくるくる回ってるの?まっすぐな滑り台は?いつこうなっちゃったの?」って質問したら、ちょっとびっくりしたちびっこが、でも親切に「これ、きょうなおったんだよ!いままですべりだいなくて、ぼく、さみしかったんだけど、くるくるになってなおったんだよ!うれしいなあ」って本当に嬉しそうな顔で答えてくれた。私は、この前はまっすぐな滑り台が付いて直ってたのになあ、と不思議に思いながらもちびっこにお礼を言ってポケットに入ってたアメをあげた。
どうしてかな、どうしてあの日の滑り台はまっすぐだったんだろう、てゆうかちびっこは今日滑り台が直ったって言ってたけどあの日も滑り台はあったのにどうゆうことなんだろう。どうしてあの日、どうして、どうして。










「あ、もしかして骸さんが幻術、で・・・?げ、やばいよこれなんか涙出そう泣きそうだ私、どうしよう骸さんのせい、だ・・・」












名前もない僕たちの歌プラネタリウム
(ずるいや骸さん、こんなの卑怯だよ、これで気にならないなんて無理だ)

気付いてしまった。雲雀がやけに出張るなあ。