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木曜日のお昼休み、健司から『ー緊急事態!数学の教科書忘れたー(´;ω;`)持ってきてー(>_<)』という本当に緊急事態と思ってるのかなんなのかよく分からないメールを受け取った私は、友達とのランチも早々に切り上げて、数学の教科書と、パッケージに一目ぼれして今朝コンビニで買ったキャンディーを一つ持って、廊下の端と端との距離にある健司のクラスに向かうことにした。 「ねえねえ藤真くん、これあげるー!今日新発売のキャンディー♪かわいいでしょー!」 「ああ、ありがと。へー確かにかわいいかもな」 「でしょでしょー!えへへー」 「授業中眠くなったら食べることにする・・・あ、!」 健司の教室の前のドアから中を覗いていたら、健司がクラスメイトの女の子となんだか楽しそうに(少なくとも私にはそう見える)話していたから、なんだかちょっともやもやしてしまって声を掛けれずにいたら、私の視線に気づいたのか健司が私を見つけて、ドアのところまで来てくれた。 「はい健司、教科書」 「おーサンキューな!これで叱られずに済む」 「どーいたしまして、私明日数学無いからそれ今度返して」 「ん?ああ、分かった。・・・なに、なんか怒ってる?」 「・・・ううん、怒ってないよ。昼休み終わるし、もう行くね」 ああ、キャンディー渡すの忘れちゃったけどまあいっか。だって、同じの貰ってるもんね。 結局もやもやした気分のまま部活を終えて、友達と別れて自転車を押しながら正門に向かう。3年生として最後の大会が近いせいもあって、もう外は真っ暗だし、生徒の影もまばらだ。ああもう、健司のあんなところ見ちゃったせいで余計に疲れた気がする。 ちっちゃく溜息をつきながら校門を出たら、一番会いたいようで会いたくないと思っていた健司が立っていた。 「よっ、部活遅くまでごくろう」 「健司こそ、お疲れさま、・・・」 「最近練習忙しくて一緒に帰れてなかったし、一緒に帰ろうぜ」 「うん、」 いつも通りに健司が私から自転車を優しく奪い去って、健司が跨った後ろに私が座ってしがみつく。いつも通り。付き合うようになってからずっと変わらない二人乗り、だけど健司は身長も伸びたし筋肉だって増えたし大人になったけど、私は胸だって大きくならないしいつまでだってやきもちやいちゃうし子供のまんまだ。涙が出ちゃう。 「、泣くなよ」 「泣いてない、もん・・・」 「制服に鼻水つけるなよ」 「つけてないもん、ばかっ、」 「ああもう、ほんとには俺のこと好きなんだね、かわいいなあ」 「・・・そうだよ、好きなんだもん健司のこと」 「やきもちやいて泣くなんて、ほんとにかわいい」 |