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壁外調査から帰ってきて2日、怪我を負ってしまったリヴァイ兵士長と私は、エルヴィン団長の粋な計らいの元で束の間の休日を一緒に過ごしている。今回の調査ではリヴァイ班の兵士長とエレンを除く全員が殉職し、帰ってきた日の兵士長はそれはそれは荒れていたのだけど、今日兵士長の部屋のドアをこっそり開けたときは、すっかりいつもの休日のように、三角巾を被りマスクで顔を覆ってはたきを振るう姿が見れたので、ああ良かったなんて思ったんだけど。 やっぱりまだ大丈夫じゃないみたいだ。誰かこの状況を私に分かりやすく説明してほしい。 「なあ、人間の三大欲求って知ってるか」 「・・・いきなり何なんですかリヴァイ兵士長、」 「知ってんのか、って俺が聞いてるんだ」 「えっと、あの、さて、何のことやら・・・?」 もちろん知らないわけじゃない。食欲、睡眠欲、そして性欲。それくらい私だって知ってる。そしてこの状況でリヴァイ兵士長が何を考えてるかもわかる。だけど、まだお昼なのに!! こっそりドアを開けて、お掃除をしている兵士長の姿を見て安心していたら、急にツカツカとこっちに歩いてきていきなり腕を掴まれ部屋に引きずり込まれてしまった。「痛い、痛いですへいしちょ、」なんて講義も虚しく、そのまま私はさっき綺麗にメイキングされたベッドの上へ放り出されてしまったのだ。ベットが柔らかいとはいえ衝撃に「ぐぬぬー」とか唸っていたら、三角巾とマスクを外した兵士長が私のお腹の上に馬乗りになっているこの状況。はい、自分で説明できた! 「あのリヴァイ兵士長、これはいったい・・・?」 「ふん、しょうがねーから教えてやる」 「いや、あの!ちょっと、教えるって、いやいや待ってくださ、」 「なんだ」 「えっと、あの、私思い出しました!そう、あの、食欲!!よしっ、そうと決まればごはん食べに行きましょう、ね?リヴァイ兵士長!!」 「・・・チッ」 恐ろしい形相で舌打ちをしたリヴァイ兵士長は、渋々、本当に嫌々ながら私のお腹の上から降りて、隊服とは違う黒のジャケットを羽織る。それでもちゃんと私とごはんを食べに行ってくれる兵士長は、見た目や言動がどれだけ怖くても、やっぱりいい人だと思ったり思わなかったり。他の人に対してこうなのかは知らないけど、自惚れとかでなく兵士長は私のことを大事にしてくれていて、調査兵団でお互いいつ命を落とすかも分からないからこそ、束の間の休日を私と過ごすことになんの文句も言わない。そう、私がお昼から彼とベッドの上でいちゃいちゃすることを拒んだとしても、だ。 そして気付いたらもう日暮れで、やっぱり私のお腹の上にはリヴァイ兵士長が馬乗りになっている。私が「食欲!」と言ってランチに連れ出しお昼からおいしいワインを飲んで上機嫌になり、「睡眠欲!」と言って無理やり兵士長をベッドに寝かせその隣で勝手に一人でお昼寝をし、なんだか体が重くて寝苦しいと目を覚ますとこの状況。兵士長の表情はランプの点いていない黄昏時の部屋の中でよく見えないけど、それはそれはイライラしていらっしゃることでしょう・・・!ああ、もうだめだ。この人から逃げられるはず無いんだから。 「さて、何か言いたいことはあるか?」 「えっと、あの、私・・・」 「三大欲求のうち二つはちゃんと満たしてやったぞ」 「いや、その、えっと、」 「これだけ俺を待たせたんだ、ちゃんとその分だけ返してくれるんだろうな」 「愛してる」 |